試作支援したシステムを用いた研究が「地域ケアリング Vol.25 No.9: 40-43」に掲載されました。
認知症予防には発症リスクを早期に捉え、対処することが重要です。試作支援した研究は、従来より着目されるMCIよりも早期の前臨床期に着目し、能動的動作が実行されるなかで発動する ”抑制機能”の低下が予兆指標になりうる可能性を示したものです。
免許返納など運転を中止した高齢者は要介護状態や認知症発症のリスクが高まることが報告(運転寿命延伸プロジェクト・コンソーシアム)され、これは外出機会の減少、活動量の減少などが影響していると考えられています。この自動車の運転は、能動的動作のなかで発動する抑制機能が安全運転に重要な役割を担っており、頻度高く”抑制機能”が発動する日常生活行動の1つではないかと思います。
自動車の運転の中止による認知症発症リスクの増加には、”抑制機能の活性化機会の減少”も影響しているのではないと感じます。現在、通いの場などで高齢者を対象としたフレイル予防が行われていますが、自動車学校を通いの場として、免許返納をした高齢者を対象とした運転教室もフレイル予防に有効なのではないかと思います。